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親和中学校・親和女子高等学校神戸親和女子大学神戸親和女子大学附属幼稚園
理事長メッセージ

新年のごあいさつ

理事長

 新年、明けましておめでとうございます。昨年は、親和学園の教育研究にご理解とご支援を賜り、学園を代表して心よりの御礼と感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 さて、昨年は新型コロナウイルスの感染症のパンデミックにより人類は、かつてないグローバルな危機に直面した年でした。そして、残念ながら、このパンデミックはさらに勢いを増して世界で猛威を奮っています。年末からは新型コロナウイルスの新異種も世界に拡散し始めています。
 日本でも、収束の兆しが見えないどころかさらに感染状況が深刻になり、ついに昨日、東京とその近隣の3県で「緊急事態宣言」は発出されました。大阪・兵庫を始め、近畿圏も同様に予断を許さない感染状況で、医療現場も逼迫しています。いつ「緊急事態宣言」が発出されても不思議ではない状況です。どうぞ、みなさまも体調・健康管理にお努め下さるようお願いいたします。
 一方、今年も、私たち教育機関にとって辛抱の年となりそうです。親和学園でも教職員あげて園児・生徒・学生の健康・安全管理に万全を期すとともに、教職員自身の健康・安全管理にも努める所存です。昨年は、コロナ禍により園児・生徒・学生にとっても教職員にとっても、かつて経験したことのない種々の対応に追われた年でした。今年は、当面、この厳しい状況が続くと思いますが、これまでの経験を生かして、園児・生徒・学生たちの健康と安全を最優先事項としながらも、併せて、かれらの保育・教育の質保証に努めるとともに、その教育活動を全面的に支えていく所存です。
 日本で新型コロナウイルスの感染が始まった昨年からこれまでの、親和学園の対応について少し報告させていただきます。中学・高校が3月から、そして大学が4月から、それぞれ休校状態に入って、急遽、オンラインによる遠隔授業を導入いたしました。当初は、生徒も学生も、そして教員も戸惑うことが多々ありましたが、通信環境の整備に努めるとともに、デジタル機器の操作や授業方法の研修を重ね、次第に授業の質も向上しました。なお、学園では、この機会に中学・高校・大学とも、タブレットまたはパソコンを全員必携と致しました。今後は、新しい水準のデジタル教育が可能となりました。
 幸いなことに、親和女子高校のオンライン授業は神戸新聞のデジタル版で取り上げていただいたほどでした。大学も4月17日からオンラインによる遠隔授業を実施することができました。大学の場合は、6月から7月にかけて一部の授業で対面授業を再開しましたが、感染状況の悪化もあり、春学期はオンライン授業が中心となりました。中高は、6月からほぼ通常の授業形態に戻りました。大学は秋学期からは約6割を対面授業で、約4割の授業をオンラインで実施し、今に至っています。
 今回の経験で、オンラインによる遠隔授業や、デジタル機器を活用した授業の可能性も課題も明確になりました。改めて、「教育とは何か」を考える契機ともなりました。コロナ禍で一時見られたように、園児が園庭で走り回ることもなく家に籠っていること、生徒・学生が毎日パソコンやタブレットで授業を受け外出もままならない状況は、どう考えても、かれらの人間的な成長や学力の向上を支える保育・教育の責任を十分に果たしているとは言えません。他の子どもや生徒・学生が、毎日、保育・遊びを通じて、また、授業・課外活動を通じて、種々の人間的な交流(私はこうした交流を”human communication”と呼んでいます。)する過程こそが保育・教育の過程であり、その成立要件だと思っています。(注1)
 ただ、今やデジタル時代を迎え、場所や時間に制約されないという可能性と利点をもつオンライン授業や、デジタル機器を活用した授業(対面)が一般化することも想定されます。デジタル教科書の導入も現実化するでしょう。しかし、先にも触れたように、保育・教育の基本は人と人が直接触れ合い交流するという点にあります。とすれば、従来の対面授業を基本とする教育とデジタル教育との「つながり」と「バランス」をどのように取っていくのか、今後の課題になると思います。
 親和学園でも、社会の発展動向を視野に入れながら、人と人が直接に向かい合う対面授業を基本としながらも、その中でデジタル教育の可能性を生かした、親和らしい教育を構築していくべく、議論を始めます。たとえば、国内外の学校・大学とオンライン授業による交流を日常的に行うことで、従来の授業がさらに活性化し質も向上していくものと考えています。
 しかし、社会や環境が変わっても、園児・生徒・学生の未来のために、かれらひとり一人の期待とニーズにどこまでも応えていくという親和教育の基本形は堅持していきたいと思っています。同じように、今後も地域に根ざし、地域に開かれ、地域とともに発展する親和の教育理念を堅持して参ります。
 今後とも、みなさまのご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。
 終わりになりましたが、コロナ禍の厳しい時期が続きますが、どうぞご体調・健康管理に努められ、ご健勝でご活躍されることを祈念申し上げます。
 (注1)
 幼児の“human communication”の1例として、12月の中旬に垂水にある親和保育園(子ども園)に行ったときのお話をさせていただきます。12月なのに小春日和のような暖かい日でした。多くの子どもたちが広い園庭に出て思い思いに遊んでいました。砂場でスコップを使って穴を掘る子どももいれば、友達と一緒に走り回ったりゲームに興じたりする子ども等々。子どもたちの表情はみな輝いていました。それらを温かく見守る先生たち。コロナ禍を忘れて、思わず微笑まずにはいられないひと時でした。保育の原点を垣間見た気持で、ルソーが「一日じゅう、飛んだり、跳ねたり、遊んだり、走り回っていることが、なんの意味もないことだろうか。一生のうちでこんなに充実した時はまたとあるまい。」と、また、フレーベルが「遊戯することないし遊戯は、幼児の発達つまりこの時期の人間の発達の最高の段階である。」と述べたことを思い起こしたものでした。

2021年1月8日
学校法人親和学園
理事長  山根 耕平




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